泡の中の信頼

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1826年創業の「アルロー」。

ランスに近いヴリニー村の1級畑から最高級のシャンパーニュを生み出しています。




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今後、パリでも様々な広報活動を展開するということ。

今日は社長と営業・広報責任者とのミーティングに出かけてきました。

パリ5区に昨年からサロン形式のエレガントなアトリエを構えておられます。



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午前11時のお約束よりも5分早く到着すると、ピエール・クリスチャン氏がにこやかに待っていてくださいました。

まもなく、社長のクリスチーヌも登場。


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アルロー社のさまざまな製品が、美しく陳列された棚。

タイアップのショコラや、ラベルにメッセージカードが入る特殊なボトルもありました。



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アルロー社の歴史、家系図など概要をお話いただいたあとは

「飲みながら話をしましょうか」



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アンティークの丸テーブルの上には、19世紀のクリスタルグラスがたくさん用意されていました。

「グラスによって味わいも変わりますので、お好きなものを選んでいただけますよ」



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まずは一番シンプルな大ぶりのワイングラスになみなみと注いでくださって

「わかりやすいグラスで、一口目を感じてみてください」と。

泡がこんなにもクリーミーでふんわりしたシャンパーニュは見たこともありません。



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「カンパイ!」

90年代に日本に1年半住んだ経験もあるピエール・クリスチャン氏は、日本語の単語もたくさん御存じです。


優しい焼き立てのブリオッシュの香り、口当たりは実にエレガント。
社交界にデビューしたてのブロンドを綺麗に巻きこんだ可愛らしさがあふれるレディのよう。



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フランス国内の星付きレストランや、日本のマンダリンオリエンタルや西洋銀座でのスペシャル・シャンパーニュディナーのメニューカード。


アルローのシャンパーニュは通常のワイン法よりも厳密に、圧搾も1番絞りのみを使用、
滓抜きも冷却法を使わずに昔ながらの方法で。


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1850年ごろのグラスで同じものをいただいてみると、また香りも味わいもまったく違います。

グラスの厚みが違うことで舌触りも変わり、幾分閉じたフォームから濃縮感を多めに感じるように。



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ドゥミ・ブテイユ(ハーフボトル)、ブテイユ、マグナム、そしてジェロボアム(4本分)が作られています。



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90年代の良年のミレジメシャンパーニュが勢ぞろいした特別な木箱。

アルロー社のミレジメで一番最近の出荷は1998年のもの。

ノンミレジメでも4年、ミレジメは10年の熟成を経てようやくカーブから市場へ出るのです。



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次のシャンパーニュに移る前に、グラスの中をここにあけるようにと写真右側の白い陶器を
出してくださいました。

「私はこの黄金の液体を捨てるなんて、間違ってもできません」

全部、飲み干させていただきます。時刻はまだ午前中・・・



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シャンパーニュの効用について、医学博士が書いた本も見せていただきました。

「適度の」アルコールは身体にも美容にも良いと。適度です。


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このグラスは持ち手の部分までシャンパーニュが入るのです。

こんなカタチのものもあるんですね、丸いフォルムが柔らかさを出しています。


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こちらはスペシャル・レゼルブのシャンパーニュ。

先ほどよりも、ぐっと重みが増します。

ナッツやバター、マンゴ、熟成香もします。 余韻の長さに驚かされました。


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これもカンパイ! 飲んでばかりではなく、もちろん仕事の話を熱く続行中。



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ミレジメ・シャンパーニュに1本1本、手で押される蝋のシール。

「蝋の溶け具合が違うので、2つと同じものはありません」

限定2500本の幻のシャンパーニュ。



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社長のクリスティーヌに伺ってみました。

「代々続くシャンパーニュ一家に生まれて、人生最初のシャンパーニュの記憶は?」

「生まれた時ね」 「生まれてすぐに、赤ちゃんの指をグラスにつけて、それをなめさせるの」



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実りある3時間に及ぶミーティングも無事に終了。

「近くのレストランで一緒にランチを取って今度は雑談をしましょう」と誘っていただき移動します。



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土曜の午後2時は、ゆっくりお昼を過ごす地元民でにぎわっています。



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またまたカンパイ! 

ピエール・クリスチャン氏が注文したワインはボジョレーでした。

「お昼だから軽めのガメイが飲みやすいですよね」


おっしゃるとおりですが、もう充分にワタクシ、酔っぱらってます・・・


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ピエール・クリスチャンは「パリ風サラダ」を。


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クリスチーヌと私は「タルタル」を。


ここでもコーヒーをお代りしながら、2時間半のおしゃべり。

彼らは明日、パリの地方選挙を投票したあと、ドイツのデュッセルドルフへ車で商用に向かうそう。




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家に戻って、いただいてきたカタログ類に目を通し、それぞれのシャンパーニュについて復習します。


3月初めに日本からコンクールの審査員としていらしたジャーナリスト・有坂芙美子氏のご紹介で
知り合うことのできた大切なご縁。




夏から秋にかけてアルロー社とパリのCEPAGEの共同企画のデギュスタシオンも実現する可能性があります。




「あなたにとって、ワインとはどんな存在ですか?」

「人生に必要なものを並べるとしたら、最初に来るものは何ですか?」

「何のためにあなたは働きますか?」



何かを一緒にやっていこうとする時にフランス人の問いかけには真理があふれています。


ワインとの関わりをあらためて見つめた究極の週末でした。







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エレガント!!

見ているこちらまで、感動と充実、ほろ酔い(いえ、酔っぱらい)状態になりますね!
赤ちゃんの指に付けて・・・はなんとフランスらしい!!
グラスもまあ素敵!並んだグラスだけでも空気感があります。

シャンパンはエレガントですね~。
お味もエレガント!グラスもエレガント!会話もエレガント!
そんな雰囲気が伝わってきます。

良いシャンパンを用意する時は、会話と空気だけでも充分楽しめそうですけど、
エレガントなお味のシャンパンのおつまみは何だったのですか?
私はシャンパン飲む時、絶対何か口にしないと、大変な事になっちゃいます、、。^^;

緊張しちゃいました~・・・!

最初は「きれいだわv-352」「おしゃれだわe-420d」と読み進んでいましたが
途中から緊張してきて
最後の質問内容を読んだらまるで自分が質問されているよう気持ちにe-330
このような内容にきちんと即答していける事って素晴らしい!

そして、ピノちゃんの“私はこの黄金の液体を捨てるなんて、間違ってもできません”
というセリフも社長さんへの質問も粋ですね。
対する社長さんの答えも素敵です。

こういう会話が出来るからこそ解る
ホンモノのシャンパーニュの味なのですねv-424

美しいですね。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆

ピノちゃんこんにちはv-278

白を基調としたインテリアとなんてシャンパーニューは合うのでしょうv-354
とても綺麗ですv-352

アンティークグラスもとても素敵v-339
同じものをグラスを変えて味わうなんて、もう、深さが全然違いますv-399
いつかそんな風に味わえる人になりたいものでございますv-390

v-351「私はこの黄金の液体を捨てるなんて、間違ってもできません」v-351
私も決して無駄にはしませんが、こんな素敵なセリフは言えませんv-404
ピノちゃんに拍手v-424

何か新しいプロジェクトが始まりそう、益々忙しいv-29ピノちゃんですね。

おつまみ。

☆グラナーダさん

いつもありがとうございます。家系図のことをフランス語で「ARBRE」(=木)という言い方をするのですが、御先祖のお話をする社長のお顔は非常に満ち足りていて、現在、弟さんが畑と醸造の責任者として現地を守り、社長はパリに在住。

アトリエで飲んでいる時はおつまみはありませんでした。
途中から社長が「やっぱり、何か持ってくればよかったわね」と言いだし、「ミホなら、これに何を合わせる?」という話から日本風の
つきだしの話や、巻き寿司に展開。
「パリではそういうオツマミを作るシェフはどこにいるの?」との問いに「ワタクシが!」と答えてから、場が和んで良かったです。

日本で印象に残った温泉は「塩原」だそうで、「お湯が良いのよ、お湯がなにしろ」とおっしゃっていました。

当初は緊張。

☆かづちゃん

数日前から専門用語を覚え直したり、実はこのミーティングが2週間前に決まってから、毎晩アセりはあったのです。
でも、実際に話し始めてみると美味しいシャンパーニュを前にして、
上塗りの表現は不必要だとわかりました。

他の試飲会でグラスを空けて行かねばなら無い時、いつも
「あー、もったいない。小瓶に入れて持って帰りたい!」と思うので
ましてや、大好きな貴重なシャンパーニュを捨てるなんて無理でした。

「2分?3分?次を開けるまで待つからゆっくり飲んでくださいね」と
笑っていただきました。

実は朝から「ウコンのチカラ」を飲んでいってよかったーと思いました。

人生の禅問答みたいな質問は、聞かれた後に私もおふたりに聞き返し、なるほどなるほど、と唸る場面もありました。
「僕は~思うけど、一般のフランス人は~だろう」とか、正直なおふたりはシャンパーニュと同じように魅力的でした。

社長のシャツ。

☆小鞠ちゃん

白を基調としたインテリア、この日の社長のファッションも真っ白のシャツの胸元にグレイのリボン、金に葡萄のレリーフの付いたロケット・ペンダントをなさっていて、中には小さな写真が。

自然と暮らしの中にシャンパーニュがあった女性ならではの、たち振る舞いが素敵でした。

彼らは4月は韓国へ飛ぶそうで、その後の話は5月にまたミーティングです。

素敵な時間

素敵なサロンでのミーティング。
次々とエレガントなシャンパーニュが注がれ夢のようです。

感性を研ぎ澄ませ、シャンパーニュと語り合うように頂く様子が伝わってきました。

歴史や作り手を知り、感謝しながらシャンパーニュうを頂くとまったく違うんでしょうね。


老舗

老舗のスゴい方々とのお仕事なんですね。 ブログの内容と写真からなんとなく背筋が伸びるようです。

後半の内容で少しホッとしました(笑)

シャンパンの泡がとてもおいしそうであります。

アンティークグラス  

☆こぶたちゃん

形に100年から150年前の美を感じるグラスを目の前にした時に、
一瞬、「こぶたちゃんならどういう風に撮るかな」って思ったの!
コメントいただいて、嬉しいわ。

いろいろ、私のおもちゃデジカメも駆使してもっともっと写真を撮りたかったけど、仕事なのでバシバシ撮りまくるわけにも行かず、遠慮がちに撮っていたら「もっと撮っていいのよ」と言われました。
カンパイ写真は先方もノリノリでした。

シャンパーニュ博物館みたいで、その空間にずっと留まりたいと思ったぐらいなの。

「フランス革命以前のシャンパーニュ地方では・・・」ってすごく昔のことを滑らかにお話いただいて、歴史があるって素晴らしいと思いました。

5時間半。

☆よしこさま

珍しく緊張して出かけた仕事でした。最初の30分ぐらいは言葉を選んだつもりですが、グラスを重ねるにつれていつもの調子になりました。

気がつけばずいぶん長い時間話をして、ランチではくだけた話も出来て、とても良かったです。

シャンパーニュの泡はいつでも心をほぐしてくれますが、今回は格別でした。気持ちもぐっと上昇しました。

素敵なレポートをありがとうございます

ミホさん、
初めてコメントさせていただきます。ワイン好きの友人よりブログを教えてもらってから、新しいエントリーを楽しみに読ませていただいています。
シャンパーニュ好きの私、読んでいるだけでアルノー社の繊細な泡が、歴史を感じさせるぼってりとしたクリスタルの口ざわりが、エレガントな午前の空気が伝わるレポートで、朝から幸せな気分です。どうもありがとうございます。
ミホさんのブログは本当、クォリティーが高くって素晴らしいです。これからも頑張ってください。

初めまして、ようこそ。

☆LazyElephantさん

コメントありがとうございます。
今、ブログも拝見しましたが、グローバルな視点ですごく面白いですね。これから楽しみに読ませていただきます。

同じパリに在住で、職歴&食歴&飲歴も重なりそうな共通点があって嬉しいかぎりです。

シャンパーニュ、お好きですか、私の中ではこれは極上の贅沢であり、生きる勇気の起爆剤とも思っています。
アワが身体の中で1つずつ、染みて弾けて、盛り上がる。

ようやくパリもテラスで飲めるかも知れない陽気になってきましたね。今後ともよろしくお願いします。

No title

約束の五分前に訪ねるピノミホさん、それを定時前に待っているピエール氏、
大人の出会いを感じて少々ドキドキいたしました。(笑

それにしても、男性の私がウットリとしてしまう素敵な時間ですね。
(ピノミホっさんは緊張していましたかもしれませんが・・・・・)

私は数える位しか飲んだ事がありませんが、シャンパンは特別なモノを感じさせてくれますね。
ついつい スペイン&イタリアのスパークリングに逃げてしまいます。(汗

柔らかそうな泡に心を奪われてしまいましたよ!

初夏の夕暮れ 日の落ちきらない時間に窓を開けて飲むのが好きです。
もちろん そのときはオヤジには珍しく、ビールは頂きませんよ。(笑

きらめく泡

前回のCEPAGEで教えてくださったシャンパンについてのレクチャーが
今も心に残っています。どうして、シャンパン(スパークリングワイン)が
あんなに美味しく、美しいのか、を教えてくださいましたね!!
また、新しい味へと導いて頂ける日を楽しみにしています。

シャンパングラスがたくさん並んだ写真、惚れ惚れしますね!!!
透明なガラスが勢揃いした風景が大好きです。

フランス時間

☆いその爺様

ドキドキしていただき、ありがとうございます。
それがですね、フランスは一般にプライベートの訪問、ディナーへの招待などは「15分遅れていく」というのが一般的なのです。

今回はビジネスだし、このピエール・クリスチャン氏は日本駐在経験もあるので日本式で「5分前集合」だろうと思い、案の定の結果だったということですね。

彼はものすごく紳士でハンサムで、このアルロー家一族の方なのです。

スペインのカヴァもイタリアのスプマンテもプロセッコも私も大好きで
よくいただきます。
夕暮れに窓を開けて。。。うーん、ステキ。それこそ、大人の時間ですね♪

大好きな泡。

☆mother-of-pearlさん

いつかアルローのシャンパーニュも日本のレッスンでご説明できたらと思っております。
今回も、春らしい乾杯の一杯をご用意してますので、どうぞご期待くださいませ。

照明を落としたシックなカウンターでいただく1杯のシャンパーニュも美味しいですが、昼間の柔らかい光が差し込むクリスタルグラスも
こんなに美しいのだということを今回、知りました。

仕事の中に勉強がたくさんあって、ありがたいことだと思っています。

プロフィール

Author:ピノミホ
趣味から始めたワインの勉強、人と語らうことが大好きでおもてなしを積み重ねた経験、それらを集結して「CEPAGE」を実らせて満17年を迎えました。
小さなサロンのテーブルに、今日も美味しいお皿を運んでいます。

ワインの熟成と同じように、ゆっくり、味わい深い時間を過ごせる日々を願って。

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