醸し人の住む里 ~今錦・米澤酒造訪問

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プロヴァンスのCEPAGE終了後、アルザス&ドイツのコラボの前に念願の場所へ旅してきました。



緑の棚田の美しさに目を奪われる南信州・伊那谷、中川村へ。





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1907年(明治40年)創業、100年の歴史を持つ 米澤酒造

パリのCEPAGEの生徒さんJ子ちゃんのお父様のご実家で、現在は叔父様とご親族が経営。

7月、日本帰国前にお話をいただき、ぜひ伺ってみたいとお願いしました。


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酒米は地元産の「美山錦」、社長の曽祖父様の伝統技法を蔵人達が継承。

パリから横浜へ戻ってまもなく、宅急便で事前に送ってくださった3種類のお酒。

一口いただいた瞬間、まだ見ぬ酒蔵へ入り込んでいた私。


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J子ちゃんの叔父様・廣明氏手作りの大きな杉玉を見上げながら、


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日本で最も美しい村連合の証の飾られる入り口から、



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穏やかでダンディな廣明氏の案内で、蔵を見せていただきます。


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50年モノの巨大な和釜。

創業以来、酒米に弾力が出来る、味がのりやすい理由で和釜での蒸米を続けておられます。


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地酒の味を決めるのは「水」。

南アルプスが育んだ良質の軟水、湧き水の貯水槽。


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ずらりと並ぶ桶は、昔ながらの木製もあり。


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磨きこまれた壁に貼られた4文字。

「和やかに醸すことで良い酒が生まれる」


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仕込みのピークは11月から12月にかけて。静かにそのときを待つタンクたち。

あれは?これは?と質問攻めの私に対して、終始笑顔で丁寧にお答えくださる廣明氏。


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木のぬくもり、使い込まれた歳月。 整然と置かれていることが美しい桶たち。


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力強い文字の描かれた木槽(きぶね)。

創業以来、出来上がった「もろみ」を長さ70cm、幅30cmの袋に詰め、木槽に入れて重ね、

圧力をかけ、最後のひとしずくまで根気と手間をかけて搾っておられます。


何度も覗き込み、ここで繰り返された酒造りを何十年も遡って想像してみました。


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酒母に対して、仕込み水、掛け麹、蒸し米を「三段仕込み」で。

昭和33年から、ずっと現役のタンクが今年も出番に備えています。


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お酒に関する日本語、チョークの手描きの文字にも興味が膨らみます。


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「12月にね、お酒が出来るときにまたぜひ」「春の桜の季節もこのあたりは綺麗ですよ」

ありがたいお言葉をたくさんいただいて、いつまでもここに留まりたくなる。



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出荷準備で大忙しの現場には、たくましい腕の蔵人が。


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瓶を殺菌する香りは、酒まんじゅうのよう。無制限に嗅ぎ続けたくなる麹の世界。


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お茶と日本酒仕込みの梅酒につけた竜峡小梅をいただきながら、パリのCEPAGEに持ち帰りたい日本酒についてご相談。

今回は特別純米酒「風の舞」冷仕立てを、秋のはじめに講習することに決定。

梅酒や、「今錦」「まつ」「おたまじゃくし」も順次ご紹介させていただきます。


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温厚な社長、米澤博文氏と最後に記念撮影。

おふたりに見送っていただき、再訪を誓って手を振りました。



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甘く穏やかな香りが一面に広がる白桃や、


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爽やかなりんごの生命感あふれる枝葉を眺めながら、中川村を離れます。




米澤酒造の社訓、

「酒は人格の水である」



造る人、売る人、飲む人が酒を「友」とし、和やかに飲んで楽しんでいただけるように、と。






酒に命を注ぎ、体の芯から和らぎを施す美酒を醸し続ける方々と現実にお会いすることで、

酒と仕事にもっと正直でありたいと思えます。






米澤廣明さん、米澤博文さん、貴重な経験を本当にありがとうございました。









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南信州

CEPAGEとコラボの間に南信州!
休む暇なくの、行動力、さすがです。

蔵の中の道具やお2人の笑顔から
米澤酒造のお酒のよさが伝わってきます。

ももやりんごもおいしそう☆
南信州、行ってみたくなりました。

ご一緒に

☆ likisuke ちゃん

この夏はあちこちへの遠征を楽しんでおりますが、こちらも実際に伺うことが出来て感激でした。ワインもそうだけど、日本酒も作り手さんのお顔や土地、景色を思い出して飲むと、そのお味は何百倍にも滋味深くなると思う。

この蔵のお酒は、本当に美味しいです。その場で飲んだら、間違いなく幸福の階段を上がっていける。

いつか一緒に行きましょう。念ずれば叶う。また必ず行きたい場所です。

No title

静寂さが伝わってくるお写真と文章で
日本は素敵だなぁ としみじみ感じました。

今はひっそりと時を待つ、美しい道具達は
その時が来たら わーいわーい!とはしゃぐ麹菌達と
一緒に、いい仕事 に参加するのでしょうね ^^

ワインやビールもそうですが、その場所に在る空気が
発酵に深くかかわる空間は、物質的な清潔感だけではなく
精神をも研ぎ澄まさせてくれる何かがあると感じます。
すべてをマネージする造り手さん達の気合いなのかなぁ♪

日本酒を飲みに行きたくなりました!!

和醸良酒

すばらしい体験をされましたね☆





最近、近年希に見る(?)ほど身も心も充実しております。「明日横浜来る?」と言われても「喜んで!」って言えるよ(笑)。



実保さんと日本酒をもっと飲み交わしたいです。

No title

毎日暑いですね~

暑い夏の日に、杉球を潜りヒンヤリとした土間で頂く冷や酒は格別なものです。
三十以上年も前に呑んだ伊勢の白鷹や木曽路奈良井宿で呑んだ???が懐かしく想い出されます。(汗

葡萄も素敵ですが、稲の美しさも日本人の心の拠り所として大事にしたいですよね。

そうそう!去年の夏旅行はピノミホさんのおかげでココファームに寄ることができて、
妻ラッ子から非常に高い得点を頂く事ができました。(感謝しております!笑)
嗚呼! 後数日で夏休み! 車で行きますんで・・・・夜しか飲めないのが悔しいです。
横で・・・・呑んで寝てる奴・・・・・が居る。 v-403

酒造りの道具

☆ smallcountry さん

先日もありがとうございました。ブログもいつもステキに書いてくださってありがとうございます。

あの木製のお道具たちが麹菌と一緒に頑張る日、晩秋から冬にかけてでしょうね、酒造が麹の香りに包まれる時期に再訪したいと思っています。

おっしゃるとおり、特別、格別な空間でした。



同感

☆せいじさん

はい、最高の経験をさせていただきました。 ワインもそうですが、作り手さんのお顔を知って飲むとお味のふくらみをもっともっと感じることができますね。

せいじさんの身辺も充実しておられるようで何より! 私もそうです。去年よりも、今年。
昨日よりも今日が良い、と言える日々を過ごさせてもらっています。

呼べば横浜へ飛んできてくれるんですね。では秋には来て下さい。夏のせいじさんは5人ぐらい居たほうがよいのでは?と思えるようにご多忙だったから遠慮してました。
野毛もじわじわ開拓中。

葡萄と稲

☆いその爺さん

奈良井宿、今回初めて、この酒造に向かう途中で立ち寄ることが出来ました。妻籠も馬籠も。
それについては、また後日、記事にしたいと思っております。

田んぼがこんなに綺麗だということ、子供の頃には気が付きませんでした。
まっすぐな緑、水との共存、米の偉大さをあらためて知りました。

いその爺さんのバカンスもまもなくですね。どうかたくさん楽しんで。
日ごろのお疲れを解消できる、のんびり旅行になりますように。

私は今日から東北です。
プロフィール

Author:ピノミホ
趣味から始めたワインの勉強、人と語らうことが大好きでおもてなしを積み重ねた経験、それらを集結して「CEPAGE」を実らせて満17年を迎えました。
小さなサロンのテーブルに、今日も美味しいお皿を運んでいます。

ワインの熟成と同じように、ゆっくり、味わい深い時間を過ごせる日々を願って。

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