夢を集める人 ~ギュスターヴ・モロー美術館

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パリに19年近く暮らしていても、まだ訪れていない場所はたくさんあります。

以前から気になり続けていた、個人画家の美術館へ。

今日の自分と対話が出来る、ひとりきりの時間。













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1898年に死去した世紀末の象徴画家モローが、自宅建物と一切を国に寄贈して成立。

1903年1月1日のオープン以来、6000点以上の作品を収蔵。

夢幻的な神話の世界、人間の内なる精神論を絵画を通して現代へ伝え続けています。


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オペラ座からサンラザール駅方面、トリニテ教会のそばの住宅街にある重い扉を押して、


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大きな荷物がある場合は、玄関脇で預かっていただけます。


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階段を上がると、1階はモローの私邸部分、2~3階はアトリエ。


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まずはアトリエから。大きなプラスティックのボードには各国の言語でそれぞれの作品の解説が。


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写真撮影はフラッシュを使わなければ自由です。

「テスピウスの娘たち」1853年。

中央に描かれているのがヘラクレス。


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「アルゴー号の帰還」 1891~97年。

モローが死の直前まで筆を入れ続けた作品で、下の部分が未完成のまま。


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自然光が差し込む大きな窓辺の家具には、


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膨大な数のデッサンが収納されていて、自由に閲覧可能。


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2階と3階を繋ぐらせん階段は、モローの古典的趣味を優雅に表現しています。


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階段途中から眺めた2階部分。


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鉄のレース越しにもう一度。


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「自画像」1850年。

デッサンは多数存在するも、油彩はこの1点だけ。

レンブラントやフェルメールの光の効果を感じさせます。


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「ジュピターとセメレー」1889~95年。

ギリシャ神話とキリスト教を題材にしたテーマを、豪華な色彩で表現。


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大きなタンスのような家具は、


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引き出せば、このとおり。


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「一角獣」1885年ごろ。

クリュニー美術館のタピスリーからインスピレーションを得た作品。

120年以上の歳月を経ても、まさに今、織り上がったばかりのような鮮やかな色調。


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「プロメテウス」1868年。

69年のサロンでメダルを獲得した作品。


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「人類の生」1886年。

人の生涯を9つの絵画で表現。 

祈り、恍惚、眠り。霊感、歌、涙。労働、休息、死。


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一番長い間、この絵の前に佇んでいました。

「妖精とグリフォン」1876年。


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らせん階段を降りながら、しばし瞑想に近い想いを抱いて。


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この階段を上り下りしたモローと無数の人々の魂が浮き上がってくる。


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居住部分は、書斎から。


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寝室の鏡に、写りこんでみる。


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ベッドの脇に置かれたチェス。

「友情以上の絆で結ばれた、最良にして唯一の女友達」アレクサンドリーヌと向き合ったのでしょうか。


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サン・トリニテ教会へ。


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広い内部はほとんど真っ暗で、静かに瞑想する信者が2名おられました。


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外壁に葡萄のレリーフを発見。






時間の流れは、止まることがない。

出逢いの数だけ物語が生まれ、歩いた距離だけ感動が湧きあがる。



小さなエスカルゴ、巴里。

想像を超えた、形のない宝石を纏える街。







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鏡の中の美女

 西洋美術史を勉強中、ギリシャ神話やキリスト教なくしてはと沢山本を読んでいるとき、殆ど挿絵にモローの絵がありパリに何度も行っているのに…次回はモロー美術館に必ず行こう!と数年前に訪れました。印象派と真逆の「見えないもの、感じるものだけを信じる」空想の世界に圧倒され見入っていました。ミホちゃんが魅了された「妖精とグリフォン」の妖精のまなざしはも不思議なパワーを感じました。わたくしは「スフィンクスとオイディプス」に魔法をかけられたような…。未完成の作品に隠された底知れないパワーがただよっていて、不思議な異空間。ブログにアップされいてとっても嬉しいです。センスの良いパリの街中のブログ楽しみにしています。寝室の鏡に写りこんだ美女がステキ!

芸術の都☆

ピノちゃんこんばんはv-483

19年住んでも、新しい発見のある奥行きの深い街v-352
いろんな人々がパリに憧れる訳ですよねv-339

そんな素敵な街v-354に暮らす方々とお知り合いになるなんて、
夢にも思っていませんでしたv-398

いつかこの素敵な街をピノちゃんと一緒に歩けるv-106日を夢見て、
今日も貯金箱v-16に500円玉をちゃり~んv-391

No title

妖精とグリフォン、本当に素敵ですね。
モローは万人うけしなかったかもしれませんが、好きな人はとことん好きになる画家だと思いました。モローの描く女性は、柔らかくてとても美しいですよね。

この絵の前で呆然としてしまう気持ちわかります。

私もとても大好きな絵があるのです。
以前ある画集に掲載されていた、サージェントという画家の描いた「マダムX」という絵に魅せられたことがあります。当時にしては珍しい黒のスリップドレスをまとった美しい女性の絵でした。NYのメトロポリタンにあるので、見に行ったのですが、貸し出し中でした(涙

姉がパリに住んでいたころよく「パリでは本物の芸術に触れることができ、心が豊かになれる」といってました。

みほさんのブログで、久しぶりに素敵なモローの絵を拝見できて、私も心豊かになれました。ありがとう。

みほさん髪伸びた? お変わりなく素敵よ。

初夏の美術館へ

☆Melissa さん

次に連休にいらしたとき、どこか美術館にご一緒したいと考えていました。西洋美術史もお勉強なさっておられたのですね。ぜひいろいろお話を伺いたいです。

妖精のまなざし、どこを見ているのか焦点が定まっていないような、物憂げな視線がたまらなく美しく感じました。「スフィンクスと・・・」も、魔力のある作品でした。 
ルーブルやオルセーなど大きな美術館と異なり、静寂の中で絵画とじっくり向き合うことができたことが素晴らしいと感じました。

鏡の中、また入ってみます!

まだまだ。

☆小鞠ちゃん

パリ20年選手は私以外にも本当に大勢いらして、理子ちゃんや美香ちゃんのほうが先輩です。

自営業をしていると、休みの日と仕事の日の明確な区切りがつけにくく、休日でも気がつけば仕事をずっとしていることも多いのですが、もっと今よりも精力的にパリを歩いてみたら
今まで見えてなかったものも感じることができるのはないかと思い始めました。

これから季節もよくなるし、仕事の活力を蓄える意味でも芸術探訪の時間を多く持ちます。

小鞠ちゃんは、陶芸、機織、たくさんのご趣味をお持ちでお出かけも多いですね。
フットワークが軽くてあちこち飛び回っておられるのをたのもしく拝見してます。

とことん。

☆かおるこさん

おっしゃるとおりで、とことん、モローの描写に惚れこむ方の気持ちが絵の前に立ってみてわかりました。どんな号数の絵も、細部までねりこまれていて、絵からストーリーが浮き出してくるかのようで。

裸婦が斜めに存在する絵も多く、透明な肌、ゆるやかな髪の毛の流れや、女性特有の肉体の豊かな弾力など、実在なのか空想なのかもわからないようなファンタジーがそこにあると思いました。

NYのメトロポリタン美術館も何回か訪れましたが、「マダムX」をそのときに見た記憶がなく、
今、ネット検索してみましたが、なるほど、素晴らしいですね。
黒のスリップドレス、女性の鎖骨と胸元を美しく魅せ、官能的でシンプルで。

私もこの絵といつか向き合いたいと思いました。教えてくださってありがとうございます。

芸術に触れると、女らしくありたいと思うようになります。

私の髪の毛、いつも同じボブで、そういえばちょっと最近長くなりつつあります。
また来月日本で切り揃えて、少しだけ前下がりにする予定です。

失礼しました

みほさん、ごめんなさい。

上の「かおるこ」は、私です(笑
友人のブログ上での私のあだなです。
まちがえて書いてました。

前に飼っていた猫ちゃんの名前なの…(恥

教えてくれてありがとう。

☆かおるこちゃん&さつきさん

このHNは誰だろう、会ったことがある人だろう、と考えておりました。

ステキなお名前の猫ちゃんですね。私もずいぶん実家で猫を飼いましたが、いつもクラシックな名前しか付けたことがなかったです。物心ついた頃、一番そばにいたのは「シロ」っていう真っ白な猫で、そのあとは「ミコ」「クロ」「チャチャ」・・・

高校生の頃、学校で拾った猫が「ミル」。
ミホのミ、と当時のボーイフレンドの名前のルを取ってつけたのを今でも覚えています。

今、猫を飼えたらなんていう名前をつけようかな。きっとワインの名前にするような気が。
「エルミタージュ」とかね。

No title

ウフフ、ごめんねぇ。

エルミタージュかっこいい!!
高貴な猫ちゃんって感じ。

私はもし猫ちゃんかえたら・・・やっぱり「マダムX」かな(笑
友人のワンちゃんの名前は「シュクレちゃん」なの。ママがケーキ作りが大好きだからだって。
このわんちゃん、すっごくかわいいのよ

ネーミング

☆さつきさん

エルミタージュ、高貴なかんじ?そうですね。いつもプライベートではブルゴーニュを飲むことが多いけど、ローヌ北部のエルミタージュ、力強さと優しさの配分が大好き。
心が静かにほどけていくような飲み心地。

あ、ニャンコの名前の話から、ワインの話になってしまいました!

お友達のわんちゃん、SUCREちゃん、可愛いね。甘い香りがお名前からも漂ってくるわ。

さつきさんの将来のニャンコはマダムXね、きっと黒猫かしらね。

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ワインにまつわる私小説

☆鍵コメ 亀男さま

しっとり、美しいお話をお聞かせいただきありがとうございます。私も同じように、エルミタージュには静かな思い入れがあります。

グラスの揺れる液面に映った想い出をかむように味わった夜。

亀男さん、文筆活動の助走をなさっておられるようですね。
デビュー作はもちろんワインがテーマで、Aの章はALION、KはKRUG,VはVOLNAY。

ワインは愛と哲学を飲む時間には欠かせません。



ここも行きたい!

ギュスターヴ・モロー    私は「出現」が好きですが、今回ミホさんが紹介してくれた絵も
すべてが良いですね。

次回、パリに行く機会があったら、絶対にここに行きます。
「妖精とグリフォン」 「人類の生」  ぜひ、ぜひ実物が見たいです。


- 百聞は一見にしかず -   

美術館で、外国の町並みで、人々で、日本国内ですら、様々な時と場所で
この言葉を実感しました。

そして実物を目にすることができる幸せ。

格言

☆おかみさま

たくさんの絵ももちろん良かったですし、美術館の静寂、内装の美しさにおかみさんもきっと惚れること間違いないです。

おかみさんが次回パリに、きっと年内にいらしていただけるような気がしておりますので
そのときには私も再訪したいです。

「百聞は一見にしかず」は高校生ぐらいからずっと私も好きな格言です。 

私が勝手に作った「百聞は一飲にしかず」もぜひご記憶を。




プロフィール

Author:ピノミホ
趣味から始めたワインの勉強、人と語らうことが大好きでおもてなしを積み重ねた経験、それらを集結して「CEPAGE」を実らせて満17年を迎えました。
小さなサロンのテーブルに、今日も美味しいお皿を運んでいます。

ワインの熟成と同じように、ゆっくり、味わい深い時間を過ごせる日々を願って。

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